
オーストラリアのセカンドビザで「88日」に算入される仕事とは?
88日として認められるかは、仕事の種類、地域、証拠の3点で決まります。数え方と記録の残し方を先に押さえておくと、後から慌てにくくなります。
オーストラリアのセカンドビザで「88日」に算入される仕事とは?
先に結論だけ言うと、88日として認められるのは、仕事の種類が対象で、勤務地が対象地域で、その両方を証明できる記録がそろっている場合だけです。多くの人が失敗するのは、仕事内容だけを見て安心し、郵便番号や勤務日、証拠の残し方を後回しにしてしまうからです。
つまり、「3か月ファームで働いた」だけでは不十分です。審査で見られるのは、あくまで対象地域で行った指定業務(specified work)かどうかであって、「田舎っぽい場所で働いたか」ではありません。
この記事は、1年目のワーキングホリデーからセカンドビザを目指す人向けにまとめています。対象地域や仕事の集まり方を先に確認したいなら、88 Day Job Map から見てください。
まず押さえたい要点
- 仕事の種類が、ビザ延長で認められる 指定業務(specified work) に当てはまること
- 勤務地の郵便番号が、対象地域の郵便番号に入っていること
- 日数の数え方が、自分の働き方に対して適切であること
- 給与明細(payslip)、勤務日、雇用主情報、勤務地を示せる証拠が残っていること
- 情報があいまい、書類が少ない、現金手渡し中心という仕事は、確認できるまで危険だと考えること
88日を判断する3つの基準
88日で混乱しやすい内容は、この3つに分けると整理しやすくなります。
1. 仕事の種類が対象か
指定業務(specified work)には、農業関連の仕事、一部の processing work(加工関連の対象業務)、そのほか認められている地域業務が含まれます。フルーツピッキング、パッキング、剪定、植え付け、家畜関連の作業がよく話題になるのは、バックパッカーにとって現実的に入りやすいからです。
ただし、「農場でやっている仕事なら全部カウントされる」と考えるのは危険です。地方の敷地内で行う仕事でも、業務区分として対象外のことがあります。たとえば、敷地内の軽い清掃や雑務は、中心となる指定業務と同じ扱いにならない可能性があります。
2. 勤務地が対象地域か
ここで失敗する人はかなり多いです。見た目がそっくりな2つの農場でも、片方の郵便番号は対象で、もう片方は対象外ということがあります。対象地域かどうかは雰囲気ではなく、郵便番号で判断されます。
仕事を受ける前に、地域の確認は必ずしておきましょう。引っ越し代、家賃、新しい現場への適応まで含めて数週間を投じるなら、その努力がちゃんと対象地域に乗っていることを先に確かめるべきです。Open-AU が繰り返し地図の確認を勧めるのはそのためです。
3. 証拠が十分か
対象の仕事を、対象地域でしていても、いつ、どこで、誰のもとで働いたかを示せなければ話がややこしくなります。
手元に残しておきたいものは次のとおりです。
- 可能なら署名入りの契約書やオファー内容
- 雇用主名と ABN 情報
- 給与明細
- 銀行入金記録
- シフト表や勤務日記録
- 地域滞在の裏付けになる宿泊記録
- 開始日と終了日が分かるメッセージやスクリーンショット
あとから雇用主が「証明書を書いてくれるはず」と期待しすぎないほうが安全です。協力してくれる雇用主もいますが、連絡が取れなくなるケースもありますし、そもそも相手側の書類管理が甘いこともあります。
88日はどう数えるのか
ここは誰もが気にする部分です。そして、慎重に考える価値があります。
実務上は、正当な勤務期間を保守的に数え、後で説明を求められても困らないように記録しておくという姿勢がいちばん安全です。
重要なのは、そこに何日いたかだけではありません。自分の働き方のパターンが、指定業務として認められる勤務期間としてどう見られるかも関わってきます。
フルタイムで継続して働く場合
対象雇用主のもとで、対象地域において標準的なフルタイム勤務をしているなら、これはもっとも整理しやすいケースです。証明もしやすく、後から争点になりにくい形です。
出来高制や天候による中断がある場合
ファームの仕事は、オフィスワークのように一定ではありません。雨で止まる日もあれば、作物量で忙しさが変わる週もあります。ブロックが早く終わることもあります。
この状況になると、「半日でも数えるのか」「水曜にピッキングがなかったらどうなるのか」と不安になる人が増えます。
実務的に安全なのは、次の4点です。
- 日付を正確に残す
- 給与明細を保管する
- 自分でも継続的な勤務ログをつける
- バックパッカー向け Facebook グループの書き込みだけで判断しない
シーズンが不安定なほど、書類と記録の重要性は上がります。
よくある失敗
どのファーム仕事も同じように数えられると思い込む
実際はそうではありません。明らかに対象に入る仕事もあれば、グレーな仕事もあります。雇用主自身が「なぜその仕事が対象なのか」を説明できないなら、その時点で警戒したほうがいいです。
日数だけ数えて証拠を残さない
頭の中では「もう何日働いた」と把握していても、その数字を裏づける書類がない人は少なくありません。数字より、数字を証明できる状態のほうが大事です。
口コミを公式確認の代わりにしてしまう
バックパッカー同士の情報は、仕事探しには役立ちます。ただし、ビザ申請の証拠確認の代わりにはなりません。「友達は通った」は、審査基準ではありません。
現金手渡しの仕事に乗る
記録が弱い、賃金の透明性が低い、雇用形態があいまいという仕事は、ビザ面のリスクが高いと考えるべきです。仕事自体が実在していても、後から証明する難易度が一気に上がります。
比較的安心しやすい仕事の特徴
88日という観点で見て安心しやすいのは、次の条件がそろっている仕事です。
- 雇用主の体制が明確
- 給与明細が定期的に出る
- シフトがある程度安定している
- 書類の流れが整っている
- 仕事区分に迷いが少ない
もちろん、それは「良い仕事」を意味するわけではありません。書類上は安心でも、肉体的に厳しかったり、賃金面で魅力が薄かったりする現場はあります。ただ、セカンドビザのために考えるなら、まずは曖昧さが少ないことが重要です。
収入面まで含めて、どのファーム職が本当に割に合うのかを見たいなら オーストラリアで88日を満たすおすすめファーム仕事 を読んでください。
仕事を受ける前に確認したいこと
移動する前に、最低限この7点は確認しておくと安全です。
- 郵便番号は確実に対象地域か
- 実際の仕事区分は何か
- 公式の給与明細は出るか
- 週あたりのおおよその勤務時間はどれくらいか
- 住居は雇用主と結びついているか
- 天候や収穫量の変化でシフトが減りやすいか
- 後で勤務日を確認してくれる担当者はいるか
このあたりの返答が濁るなら、急いで決めないほうがいいです。悪い 88 日案件は高くつきます。時間を失うのが一度では済まず、「やったのに数えにくい」と気づいてからもう一度やり直すことになるからです。
複数の現場をまたぐ場合
複数の対象仕事を組み合わせて 88 日を作ること自体は可能です。ただし、移動が増えるほど管理は複雑になります。
増えるのは、たとえば次のようなものです。
- 給与明細の枚数
- 雇用主の数
- 管理すべき日付
- 抜け漏れや混乱の起きる余地
州をまたいで動く予定がある人や、収穫時期に合わせて現場を変える予定の人は、88 Day Job Map を使って順番を意図的に組んだほうが安全です。うまく回る人と行き当たりばったりになる人の差は、努力量よりも計画に出やすいです。
申請を強くする考え方
強いセカンドビザ申請は、紙の上で見ると地味です。それで問題ありません。
目指したいのは、次のような状態です。
- 日付が明確
- 給与明細がそろっている
- 雇用主情報が整理されている
- 説明の筋に不自然な飛びがない
- 無理に言い訳しなくても通る形になっている
自分のケースを説明するために「物語」が必要になっているなら、その時点で少し弱いと考えたほうがいいです。
FAQ
フルーツピッキングなら必ずカウントされますか?
多くの場合は対象になり得ますが、自動的に認められるわけではありません。仕事の種類、雇用の形、郵便番号は引き続き確認が必要です。
敷地内に住めるなら、その仕事は対象ですか?
いいえ。住んでいる場所は、その仕事自体が対象かどうかを保証しません。
SNS グループの情報だけで、対象かどうかを判断していいですか?
仕事の候補を探す用途には使えますが、ビザ適格性の確認には使わないでください。勤務地と仕事区分は必ず別途確認しましょう。
実務上の結論
88日ルールは、謎めいた制度として考えるより、記録と確認の制度として扱うほうがずっと整理しやすくなります。
必要なのは、次の3つです。
- 対象の仕事
- 対象の郵便番号
- きれいな記録
これが本質です。
まだ地域選びの段階なら、まずは 88 Day Job Map を確認してください。ビザ全体の判断軸まで整理したいなら、セカンドビザとサードビザの違い と合わせて読むと全体像がつかみやすくなります。
次のステップ
88日対象地域を確認する
一般的なビザ情報から、実際の対象地域、仕事クラスター、移動計画へ進めます。
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